彩雲国物語 李の花嫁 part2

□48話
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秀麗「うーん....やっぱりろくなもんないわね」

「どうりで茶州が放っておかれたわけですわ」

影月「....ここまで何もないといっと天晴れです」

秋の終わり 茶州州州三人は琥連城の一角で
山と積まれた書物と書簡の中に埋もれて
唸っていた




秀麗「藍州の龍牙塩湖みたいなのがあれば塩の
売買で一発大儲けできるけど、それもなし」

「木材も期待はゼロですし、作物のほうは?」

影月「駄目ですね。気候は悪くないのに
土地自体がひどく痩せています」

「.....なーんか、閉鎖国家みたいですこと」

秀麗「そうよねー。妙に閉鎖されてるのよね
他州との交流もないし」

影月「じゃ、やっぱり......?」

「ええ。あの案を進めた方がよろしいわ」

秀麗「大枠は考えたし、あとは細々と詰める
だけだから頑張りましょ!」

「茶州の豪族が支配し続けた哀れな結果だわ」

秀麗「でも意外。影月君がこんなに急いて
コトを運ぶ人だとは思わなかったわ」

影月「や、やっぱり、性急でしょうか」

「そんなことありませんわ!
案自体は早めに出しとくことに越したことは
ありませんもの」

影月「......龍連さんも、見つかりませんね」

秀麗「そうね。切羽詰まってたから随分キツイ
追い払いしちゃったものね」

「龍連はそんなたまじゃないと思いますけど」

影月「僕、龍連さん好きです」

秀麗「私もよ....でも、もう少し言い様が
あったわよね」

「でもあそこまで言わないと龍連は帰らなかったと思いましてよ」

影月「そうですねー。下手な言い訳も誤魔化し
もきかない人ですから!」
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