彩雲国物語 李の花嫁

□18話
1ページ/3ページ

秀麗「まったく泊まるとこないならなんですぐ
うちにこないわけ?」

影月「....お金がないのは自業自得なので」

「相変わらずですわね 影月くん」

静蘭「状元には銀八十両が与えられたはずでは」

影月「その日のうちに郷里に送ってしまって」

静蘭「....全部、ですか?」

影月「はい」

秀麗「ちょっと待って 文は出したの?」

影月「いえ、礼部から連絡の早馬を出して
くれると言われたので」

「.....それ騙されてるんじゃ」ボソッ

秀麗「でも影月くんと麗蘭が状元及第してくれて本当に救われたわ」

影月「え?」

「進士式トンズラしやがりましたものね鳥頭」

秀麗「はっきりいって、あの男が第一位及第
だったら私、この世の無情に絶望してたわ」

「予備宿舎では最悪でしたわ」

秀麗「私なんてあいつの隣よ!?」

「......お姉様 可哀相」

影月「....色々な意味ですごい人でしたよね」

秀麗「あいつのとばっちりで私達宿舎を
叩きだされた時はしばこうかと思ったわ!」

「藍将軍の弟でなければ毒殺しようかと思い
ましたの」

楸瑛「....本当に申し訳ない」

不意に聞こえた声に 秀麗 麗蘭 静蘭 影月は
振り返った

邵可に案内された藍楸瑛がばつの悪そうな
顔で口許を覆っていた

その隣で李絳攸が腐れ縁の同僚に
冷たい視線を送っている

いつものように二人の両手にはもろもろの
食材が一杯にあふれている

秀麗と麗蘭は飛び上がって笑みを取り繕い
慌てて餃子を作りはじめた
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ