彩雲国物語 李の花嫁

□5話
3ページ/6ページ

劉輝「香鈴の他にまだ、いたのか」

楸瑛「絳攸の話だと、まだ伏兵がいたようで」

劉輝「麗蘭の方は無事なのか?」

楸瑛「麗蘭殿は毒物が効かず、拉致できなかっ
たようですね」

絳攸「だが、少なくとも香鈴の動機は判明した」

楸瑛「香鈴のことは彼も予想外だったろうね」

劉輝「楸瑛は彼の身柄を即刻押さえろ」

楸瑛「御意」

劉輝「絳攸は早急に医官をすべて呼んでおけ」

絳攸「わかった」

劉輝「何としても今日中に片をつける」

楸瑛「ところで主上、行方不明者がもう一人」

劉輝「.....」

楸瑛「この状況下で、静蘭がいないのは不自然です」

劉輝「違う」

楸瑛「根拠は?」

劉輝「ない、けど」

絳攸「話になりませんね」

楸瑛「なぜ静蘭に花を贈らなかったのです?」

劉輝「そんなことで心を確かめなくても、
静蘭は余を裏切らない。そなたらが余に力を
貸してくれると疑わないのと同じに」

楸瑛「随分高い評価ですね」

劉輝「評価じゃない。知っているんだ」

楸瑛「では、静蘭が白だと?」

劉輝「そうだ」

楸瑛「合格です、主上」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ