彩雲国物語 李の花嫁

□8話
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景「李侍郎 ちょうどいいところに」

絳攸「これは、景侍郎」

景「少々お時間よろしいですか?」

絳攸「ええ、大丈夫です」

景「秀君と麗君のことなのですが」

絳攸「.....何かご迷惑でもおかけしましたか?」

景「いえいえ、その逆です。本当によく
働いていただいていて感謝しています
それに時々とてもうがったことを言うのです」

絳攸「.....?」

景「黄尚書が余った予算の使い道を聞いてみた
ら何と答えたと思います?」

絳攸「.......貯金、でしょうか」

景「それが助産婦や妊婦への補助金制度の確立
貧しい志学者のための助成金、それに
災害に強い穀物改良の研究費などにあてる
べきだといったんです」

絳攸「.....秀と麗がですか?」

景「ええ。必要経費以外に予算が余ったら
できる限り有益に使うべきだと」

絳攸「......黄尚書はなんと?」

景「驚いていました。以来時々 秀君と麗君の
意見をさりげなく聞くようになりました」

絳攸「.......」

景「あの子達は官吏に向いていると思うんです
試しに国試を受けてもいいかと」

絳攸「.......」

景「それであなたの意見を聞こうと思いまして」

絳攸「残念ですがその申し出を秀と麗は
受けれません」

景「.....なぜです?」

絳攸「理由は、後でわかると思います
.......あの子達が官吏になったときに」

景「では国試を?」

絳攸「まだわかりません。ですがその時は
私か上司が後見を務めます」

景「.....あなたはいつも、人の五十歩先を
見ていられますね」微笑

絳攸「ところでこれからどちらに?」

景「?主上のところですが」

絳攸「それは奇遇ですね!実は私もなのです
ご一緒させて下さい」キラーン






絳攸はここ半刻ばかり迷子になって
うろうろしていたのであった
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