殺戮の天使 Revive Return
□殺天R2 JC1
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今年で13歳になるレイチェル・ガードナーは、中学一年生として真田星屑学院に入学した。
入学した……までは良かったのだが。
レイ「……あれ?」
クラス表を再確認して首を傾げる。
入学式で公開された新入生のクラス表に寄れば、レイチェルのクラスは1年7組のはず。
しかし、登校初日に改めて公開されたクラス表にレイチェルの名前はなかった。
他の子供たちの様子を確認してみても、特に不可思議なことは起きていないように思える。
どうやら皆は入学式時と同じクラス表で貼り出されているらしく、改めて自分のクラスの確認を終えて教室に向かっていくようだ。
レイ「(……他のクラスに異動になったのかなぁ?)」
その可能性を考え、改めて1組の方から自分の名前を探して読み進めていく。
すると……。
レイ「……あ…、あった…」
見つけた。
レイチェル・ガードナー。
1年13組。
レイ「…じ、13組…?」
ちなみに、教室のクラスは1組から7組までしかない。
8組から12組までのクラスなど存在しないのに、まるで特別扱いされたかのように孤立したクラスが存在していた。
それが13組。
何故かレイチェルの名も加えられている異質なクラスだった。
レイ「……とりあえず、行ってみた方がいいのかなぁ…?」
ザック「おい、そこのお前」
レイ「…?」
不意に声を掛けられた。
振り返ってみると、レイチェルの記憶では見知らぬ男が立っていた。
中学生には見えないが、見た目は随分と若いため新人教師なのかもしれない。
ザック「さっき13組っつったか?」
レイ「…はい」
ザック「新入生か?」
レイ「はい」
ザック「なら帰れ」
レイ「え?」
いきなりの門前払い?
ザック「あのクラスは普通じゃねぇ連中の巣窟だ。登校初日なら好都合だ。地獄の学園生活を送りたくなけりゃ大人しく帰って通信教育でも受けとけよ」
レイ「先生は13組のこと知ってるんですか?」
ザック「あ?」
レイ「わたし、このクラスのことも学校のことも分からないことばかりなんです。案内してくれませんか?」
ザック「ちょっと待て。誰が先生だ、おい」
レイ「……?」
ザック「俺ぁ生徒だ。てめえと同じ1年13組の同級生だぞ」
耳がイカれたと思った。
どう見ても同じ年には見えなかったからだ。
しかし嘘を吐いているようにも見えなかったため、きっと彼は正直に事実を述べたのだろう。
その証拠に、彼はレイチェルの抱いた謎を解明する事柄を教えてくれた。
ザック「……俺、七回留年してんだよ…」
レイ「…今19歳?」
ザック「今年で20歳だ」
レイ「なんと…」
真田星屑学院の1年13組。
普通じゃない人たちを集めて形成された特別クラス。
そこに何故か割り振られてしまったレイチェルは、かなり頭が悪いらしい先輩兼同級生のザックと出会った。
レイ「とりあえずクラスを教えてください」
ザック「……構わねぇけど、敬語をやめろ。俺が先生じゃねぇってのは分かったんだろ?」
レイ「…うん、分かった」
ザック「はぁ…、今日もサボろうと思ってたのによぉ……。ついてこい。13組は隔離校舎だ」
レイ「(面倒見は良い……のかな?)」
殺戮の天使 Revive Return。
間章。
殺天R2 Judgment Class。
本編とは関係のない学園物語が、どうしようもないくらいノンビリと始まった。
ザック「お前、名前は?」
レイ「レイチェル・ガードナー。あなたは?」
ザック「アイザック・フォスターだ」
レイ「そう…。よろしくね」
ザック「…おー」