たからばこ
□お風呂にて
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「ごめん、俺…やりすぎた」
あまりにもしょんぼりと言うので、私は口をつぐんだ。
「ごめんね。きつく言い過ぎたかもしれない」
「いや…。俺さ、結愛が二週間前からテスト勉強でかまってくれなくなっただろ?さびしくて」
そっか…
私、こっくりさんのこと、たしかにここ最近ずっと相手にしなかった
「お風呂、つかろっか」
「いいのか?」
こっくりさんの耳がピクンと嬉しそうに揺れる
笑顔もこぼれおちるようだ
「えへへ。結愛とお風呂〜」
嬉しそうなこっくりさんを見ると、私も嬉しい。
浴槽に二人で入る。
こっくりさんが私の後ろにすわっていて、後ろから抱き締めている。
「つかまーえた」
うなじにぐりぐり鼻をこすりつけてくる。
「ふふ、くすぐったいってば。」
たまには、こんなのも悪くない。