-ミテイミライ-
□#10 誓いの前に
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「まあまあ、いいじゃないか。二人にも考えがあってのことだろう」
一時間にわたる母のヒステリックな問い詰めに、父がようやく口をはさんだ。
「許すっていうの!」
「許さなくったって、無意味だといっているんだよ
二人が真剣なのはわかっただろう」
「わかったけど…」
父が最終的に話をまとめて、許してくれた。
マンションのロビーまで、伊織は信楽をみおくっていた
「ふぅ。おじさん、こういう堅苦しいの苦手なんだよね」
「ありがと、信楽」
信楽はなんと、私と結婚するために仕事を見つけていた。
「約束、しちまったからなあ」
「後悔してる?」
「してたら、とっくにばっくれてるよ」
じゃあな、と信楽が立ち去ろうとしたときだった
「信楽さんっ」