迷夢録『うつろ』
□第二話
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「な、なに…?」
晋助はいつものきつい目線でにらみつけてきました。それで私がおどおどしていると、彼はさらに顔をきつく歪ませました
「おまえ、いつまで松陽先生と寝てるつもりだよ」
「…へ?」
私はキョトンとして、目をしばたたかせました。
「いつまでも甘えてんじゃねーよ」
それだけ言うと、晋助は身を翻して松陽のもとへかけていきました。
晋助の言葉は、深く胸に刺さりました。
「…」
声もなく泣きました。
松陽も私が甘えることを疎ましく思っていたのでしょうか?