迷夢録『うつろ』
□第十三話
4ページ/5ページ
「…泣いてるのか」
自室でぼんやり過ごしていると、ヒトカゲさんがやってきました。
「泣いてない」
「…強がらなくたって、いいんだぜ」
本当に強がってなんかないのです。ただ心が空っぽになったような気がするだけ。
晋助が背後から私を抱き締めました。
「七瀬…だから言っただろうが、あいつと仲良くしても無駄な思いをするだけだってな」
無駄な思い?この虚無感のこと?
「あいつのことなんか忘れちまえ。いいじゃねぇか、俺がいる。俺がいるだろ…」
→
次へ
←
前へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ