-ミテイミライ-
□#8 気づかないで
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あぁ、なんて私はばかなことをしてしまったんだろう…
伊織は見知らぬ男に手を引かれながら、反省していた。
反省したって、もう遅いけれど。
「よしっ!」
信楽に茶化されたあと、悔しく思った私は、思いっきりおしゃれをした。
可愛いドレス美しいアクセサリー高いヒール
母親の所持品だが、まあばれないだろう。
普段使わないし。
トモダチの家で勉強会だと書き置きして家をでる。
そして、夜の街に出た私は、変な男たちに絡まれた。
やっぱり、その街の住人にはない不馴れさがでていたらしい。
「君、この辺のことあんまよくしらないよね?」
「え?」
「お兄さんたちが教えてあげるよ」「なぁ」
黒い笑い声。
まるで悪魔みたいだ。
くるんじゃなかった。
きっと私はどこかに売り飛ばされるなり誘拐されるなりするんだろう。
今でもなくなった話じゃない、信楽さんが前にそういっていた。
「だから、お嬢ちゃんはあんまり夜の街に来ちゃいけないんだぜ」
私が以前、信楽をさがしだしたときにそう言われた。
ちゃんと、彼は心配してくれていたのに。私のこと…。
それが、恋愛感情からくるものではなくても。