迷夢録『うつろ』
□第十三話
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「ね、ひどいでしょ?!晋助ってば六郎としゃべってること、無駄って言ったのよ!」
私は寺の門の屋根の上で見張りをしていた銀時に愚痴っていました。
「本当、ありえないわよね。それぐらいなら遊郭にいくな!お嬢さんに気をもたせるようなことすんなーっ!」
私が吠えると、銀時はムスッとした顔で呟きました。
「陰口叩くわりには楽しそうだなぁ、おい」
「な…!そんなこと、ないし!」
若干図星だと思った私は口をつぐんで銀時の隣に腰をおろしました。銀時は「へー」とニヤッとした笑みをうかべると、今度は「あ〜あ、」とのびをして寝転がりました。
「なんでアイツばっかりもてるんだよ…俺だって天然パーマじゃなきゃさぁ…」
銀時は私の愚痴より、晋助の女性との対人関係にすねているようでした。