迷夢録『うつろ』
□第十五話
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「一本!」
銀時の声が響いて、張り詰めていた空気が少し緩んだような気がしました。
私の攘夷戦争参加をめぐる晋助との打ち合いはようやく終わりました。私の勝利をもって。
「お疲れさま。高杉相手によくやったな」
いつから見ていたのか、称賛とともに小太郎が水を投げてよこしました。
「ありがとう」
私と小太郎が少し談笑を楽しんでいると、肩で息をしていた晋助が目を血走らせながら吠えました
「七瀬ッッッツツ!」
ーーーガキィイイイイン
晋助が私にむけて刀を降りおろしたのを、銀時が刀でうけとめて阻めていました。