私は何の子
□#1 私は化け物
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苦しい。
ーーーどうして、お父さん。
ーーーどうして、私とお母さんをおいて出ていっちゃうの。
体がやけるようにいたくて、熱い。
ーーーーごめんな、りこ。
ーーーー妖怪と人は相容れねぇのよ。
ーーーー本来なら、もっと、もっと前にこうするべきだった…
苦しい苦しい苦しい苦しい。
ーーーーお父さん!
小さい頃に出ていった、顔も思い出せない父。
彼は一体、何者だったのでしょうか
「が…ガァウウウウウッ」
私の腹のそこから、咆哮が響いた。
それは意図しないものだ。
どうして苦しんでいるときに、あの人との最後の記憶を思い出すのか、わからないけれど…
決して届くはずのない祈りを、私は必死で繰り返している。
…怖い。助けて。…お父さん…!