私は何の子

□#2 自分探し、始めました
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<自分探しの旅に出るわ。女を磨いて、それで、きっとあの人を振り向かせて見せる>


一昔前のドラマがうらやましい。

ああ、いってくればいいとも。

旅に出て、自分が見つかるって言うならね!

「うわぁぁぁっ、わからん!」

私の探す自分は、残念ながら旅に出たってみつからない。

だって、私の中にあるんだもん。

「異形の正体、かぁ…」

夕暮れにおこる身の以上は、市松家にきてもやっぱりおこった。

でも、ここにはそれを抑えてくれる人がいる。

けどやっぱり、長いこと迷惑をかける訳にはいかない。

「どうしたらいいのかなぁ」

「とりあえず、妖怪化してみたらいいんじゃないか?」

うわっ、びっくりした。

振り替えると、こっくりさんがたっていた。

「形が保てなくなれば俺が止めてやるし、もしかしたら、案外ぽんっと変化できるかもしれないぞ」

当たって砕けろ的な。

こっくりさんのさわやかな笑顔がこわい。

「えええ、でも、ちょっとこわい…」

妖怪化して、理性を保てなくなるのがこわい。

元に戻れなくなるのがこわい。

現に、形が保てなくなるとき、私は自分を制御できない。

「…けど、それしかないのかな」

私は、よしっ、と呟いた。

他に手がかりはない。
やってみよう。

「こっくりさん、私、やってみます!

こわいから、そこにいてくださいね?絶対ですよ?」

「わかったわかった」

こっくりさんは、私の真正面で立ち止まった。

スタンバイ、OK。

こっくりさんと目配せして、勇気をだす。

もう、やっぱやめます、とは言えない。



ーーーーーさぁ!いくぞ!
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