私は何の子
□#3 敵は自分
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熱い…ッ
こわいこわい、こわいよ
りこは、寝ぼけた頭で必死に自己を保とうとしていた
「最近、形が保てなくなること、なくなりましたね」
狗神がいつになくニコニコと話しかけてきた
「えぇ…まぁ…」
参ったなぁ、何て言おう、と迷った私は、こっくりさんの次の言葉で口をつぐんだ
「最初はどうなることかと思ったけど…
とりあえず、安心だな」
オカン系男子の、優しい眼差しは、ほっとした、といったかんじで
私は、本当のことが言えなくなってしまった。
ーーーーー言えないよね、最近は夕方じゃなくて、夜に妖化しかけてるなんて
ここのところ、それは寝ているりこをゆりおこすように、発作的にやってくる。
そう、今のように。
「ウ…があっ………か、はっ」
必死で、喉から出る声をおさえる。
今は深夜。
誰かの睡眠を妨げる わけにはいかない。
必死で耐える。
がんばれ…がんばれ、私。
そんなふうに祈るようにしていると、いつも、りこの意識は、途中でぷつりと途切れるのだ