私は何の子
□#4 脱・ニート宣言
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「りこちゃーん、おじさんにお金かしてくれよぉぉ」
最近、信楽さんがうっとおしい。
「いーけーまーせん!
人にたかるくらいなら自分で働いて稼いだらどう?」
「まあまあ、そう言わずにさぁ
お母さんに、人には親切にしなさいって教わらなかったの?」
「残念でした。
母はなにより、お金の貸し借りだけは絶対にするなって言ってました」
「ちっ…できたお母さんだねェ。
よしよし」
信楽さんが頭をなでてきた。
「え?」
「良い娘に育ったから、おじさんがほめてあげよう!」
「えぇ?ありがとう…
でも、なんか恥ずかしいからやめて」
「えー、いーじゃーん」
「もう…」
信楽さんは、最近なにかと頭をなでてくれる。
かわいがられてる、ってことなんだろうか。
やめてー、と騒ぎつつ、私は嬉しかった
こっくりさんは、そんなふうに楽しそうに会話するりこと信楽をみて、そわそわしていた。
「こっくりさんがおかしいのです」
「え?こひな、俺なんか変か?」
「別に」
こひなは、無自覚なこっくりさんをおいて立ち去った。