私は何の子

□#5 大学に行こう!
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「いってきまーす!」



私は大きく、玄関から声をあげた



「いってらっしゃい!気を付けてな!」



こっくりさんが台所から顔を出して、手を降ってくれた。


それだけで頑張れる気がして、



「うん!」



と元気よく返事をする。



「お、りこちゃん、大学いくのかい?」



「あ、信楽さん!

おはよう、いつもより早いね」


「まあね。

りこちゃんを駅まで送っていこうかと思ってさぁ」


「え?!ありがとう!」


「イヒヒッ。良いって良いって。

酒買いにいくついでだからさぁ」


「…お酒のついでですか」


そうして、私は信楽さんと大学にむかった。














(また、信楽)


こっくりさんは、自分の横をすり抜けてりこについていった信楽を歯がゆい思いで見ていた。


あの二人、両想いなのだろうか。


あーー、なんかむしゃくしゃする。



「信楽殿も、変わりましたなぁ」


狗神が、横でしみじみと呟く。



「なにが?」


りこのことを、好きになったこと?



「私が女体化しても、口説いてこなくなりました。」


「…そうだっけ」


「はい。それに、女遊びもおやめになられたようです


きっと、唯一絶対の一人に巡り会われたのですね」



それはやっぱり、りこのことなんだろうな



こっくりさんの気持ちは、また沈んだ。
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