-bad end after-
□夢か現か
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志乃は体のだるさにふるえていた。
ーーーなんだろう、変な感じ。
『志乃』
ーーーえ、桂さん?
問いかけたいのに、言葉が出ない。全てはまどろみのなか。ようやく開いた目で、それでもぼやける人影を見つめていた
『頼むから、無茶だけはしてくれるなよ』
ーーーはぁ?
『どれだけ俺を嫌おうがかまわん。だが、自分のことだけは大切にしてくれ』
ーーーえ、ちょっと待って?なによそれ…
『愛している。お前が俺をどう思っていようと…』
ーーーねえ、私べつにあなたを嫌ってるわけじゃないよ
叫んでも、叫びたくても桂には届かない。視界はずっとよどんだままだし、体は重くて動かない