-bad end after-

□あの夜
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「まず、この騒動は志乃のもとにある刀が届いた時からはじまった」


桂は語り始めた。


『風琉からだっ!』


届いた桐箱を受け取った志乃は嬉しそうに刀を取り出して見ていた。そして…


『ウヒ…ウヒヒヒシヒ…』


志乃が奇妙な笑い声をあげた。彼女の目は赤く充血し、ひどく不安げにゆれていた


『おい、どうした…っ!?』


桂はその異常さに気づき、彼女の肩をゆさぶった。一瞬だけ、志乃の瞳が意思をもち…桂と焦点があったような気がした


『桂サん…助けテ』


志乃は涙を一筋流すと、刀を桂にむかってふりおろした


ーーージャキッ


『く…ぁっ…!』


桂はそれを避けきれずに、胸に浅く傷をおった。その傷の浅さに、志乃のわずかな理性を感じた。
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