たからばこ
□ある日森の中で 前
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「む。山がざわついとるのう」
天狗は、自室で山の異変を感じていた。
誰か、山の住人ではない者が山に入ってきたらしい。
山の妖怪達がざわめいている。
「ちょっと様子を見てくるか」
もしかしたら、五歳未満の男の子かもしれないからのう
「うーん、おらんのう」
天狗は木々の間を飛び回った。
もう少し、麓のほうまで行ってみるか?
「あ」
「え?…きゃぁぁぁっ」
木の間を猛スピードで抜けたとき、人間の少女にぶつかりかけてしまった。
「ふぅ、危なかったわい」
「あ、あ、あ、…」
残念じゃのう。
あたふたしてるのは少女。
しかも、若いがロリとは言いがたい
つまらんのう。
「それで、お主…」
天狗が少女に話しかけてみようとしたときだった
「ぎゃぁぁぁっ、変態!変態よッ!誰か助けてぇええぇ」
少女に思いきり叫ばれた。