たからばこ
□ある日森の中で 後
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「結愛、今週もおでかけ?」
「うん!まあね〜」
「いったいどこにいってるの、キャンパスなんかもって…」
「近所に山あるじゃん。あそこ〜」
「ええッ、山?崖とか、変なとこいっちゃダメよ?」
「わかってるよー子供じゃないし」
それに、山に詳しくて、守ってくれる人がついてるし。
奇妙なお面の、天狗さん。
はじめはちょっとおどろいちゃったけど、今はもう普通。
そして、今になってはかなり気になる人だ。
いや、物の怪のともだちがいりゃ、その人が気になって当然なんだけど…
恋愛的に、今となっては気になる相手。
じゃなきゃ、山に毎日通う健全少女になんかなりません。
「うーん、着いたぁ」
山にくると、天狗さんはちょっと待ってれば出てきてくれます。
まるで山の中限定で私にGPSがついてるみたい。
…うん、そう考えるとちょっと怖い。