たからばこ
□困ったアイツ
1ページ/6ページ
私はなぜか、この転入生にすかれてしまったらしい。
「結愛、肩にごみがのっていますよ」
「結愛、ハンカチの落とし物です」
「結愛、」
彼は何かとそうやって世話をやいてくる。
そうして、私の名を呼ぶたびに幸せそうな顔をするのだ。
なんでだろう…?
わからないけど、彼にはよくドキドキさせられる。
いろんな意味で。
たとえば、、、、
「結愛、眠かったのです?」
驚いて問いただせば、授業中観察されていたようだ。
男子によだれをたらしているところをみられたなんて、思いたくない。
彼はよく私のことを見ているみたい。
おかげで私は学校で気が抜けない。