迷夢録『うつろ』
□第三話
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人影はその場に腰をおろしたようでした。
「はやくねろよ」
その声はちょっとイライラしているようでした
「…ねむれないの」
そう返すと、人影は呆れたように言いました。
「しらね。おれはねる。」
「ええ…ねえ、ちょっと」
人影は本当に寝てしまったようでした。私はそのことに少しがっかりしながら、布団に深くもぐりました。
そして、いつのまにか眠りについていました。
「んん…?」
翌朝目をさましてみると、人影のいたと思われるところにはなにもいませんでした。