迷夢録『うつろ』

□第二話
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晋助の目は常に鋭く私をとらえていました。


「さあさあ、もう夜ですよ。みんな布団に入りなさい」


夜になると松陽に促されてみんながバラバラになっていきます。その時間、私はいつも心細くて震えていました。夜は空腹と絶望を思い出させました


「七瀬さんは私と寝ましょうか」


きっとそんな私にきづいたのでしょう。

毎日松陽は私の頭を優しくなでて、額をこつんとあわせてきました。


「…はいっ!」


松陽のそんな心遣いに幼いながらに気づきました。母親の温もりと同じものを感じて、私はだんだん、松陽に安心して心を開くようになりました。
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