迷夢録『うつろ』
□第四話
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「な…、お前はどうしてそんなことを言うんだ」
小太郎は驚いたらしく、それでも声をあらげました
「なんでだっていいだろう」
晋助もそれに対抗するように厳しく返しました。二人はにらみ合いをはじめて、だんだんあたりが不穏な空気になりはじめました。
「や、やめようよー。小太郎、いいよ、わたし今日あそびにいかないから」
わたしがそう口をはさむと、小太郎は困ったように笑いかけてきました
「七瀬が気にすることではない。高杉がいじわるをいっているだけのことだ。こんなやつのことはほうっておいて、いこう」
「だからそれはだめだって言ってるだろ!」
小太郎がわたしにむけてさしだした手を晋助がはたきました。
「いたい!何をするんだ!」