迷夢録『うつろ』
□番外編
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晋助は七瀬のことが好きだ。
ある日突然、松陽達と暮らす晋助のもとに訪れた彼女はとても弱そうで、見つめていないと今にも消えてしまいそうで、ひどくもどかしかった。
だから、守りたいと思った。
「ほっとけよ、おめーら」
晋助は銀時と小太郎に思いっきり悪態をついた。この二人には絶対にばれたくなかった想いだ。
なのに…。
「えーっ、でも高杉くんがかわいそうすぎて…ねえ?桂くん?」
「そうだなぁ、銀時。涙が出てくるな…」
ああ、腹が立つ。
こんな面倒くさいやつらにばれてしまった自分のおろかさにも、
…こいつらの反応にも