迷夢録『うつろ』
□第七話
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私たちはずっと、小さい頃から一緒でした。だから見慣れた顔にどうこう思うことはありませんでした。
「あれが、カッコいいのかぁ」
なんか怖い、とかそんな形容の仕方しかされているのを聞いたことがなかった私は驚きました。
「なんだよ」
ついまじまじと見つめていたら、晋助に気味悪そうな顔をされてしまいました。
「べっつにぃ」
そう言うと、もっと不機嫌そうな顔をしていました。
やっぱりちょっと怖い顔してる、などと私が思っていると、晋助は突然「あー…」と思い出したように唸りました
そして、鋭い瞳で私をとらえました。
「…お前、今日一人で寝れんのか。」