世間では12月に入り寒さも厳しくなってきた‥‥
‥‥ついでに俺は財布の中身も厳しく彼女もいない‥‥
クリスマスモードの町や寒さに身を寄せあう恋人達を見ると後ろから飛び蹴りを入れたくなる今日この頃。
‥‥‥決して嫉妬ではないぞ‼
‥‥多分。
ちなみに自己紹介が遅れたが俺は星亮太
”ピチピチ”の20歳だ。
仕事は‥‥‥してねぇーよ
先月バイト先で乱闘して首を飛ばされたのさ!
理由はイライラした八つ当たりに客を20発ほど殴ったら首だとよ!
全く‥‥‥厳しくないか?
とりあえず簡単な自己紹介は終わりだ。
仕事も金もなく空腹を散歩でしのいでるわけさ……
亮太「はぁ〜‥‥‥面白い事転がってないかな?」
空を見上げると高層ビルの看板に女の子が描いていた。
よくテレビや雑誌で見る島崎なんちゃらだ
かなり可愛いだろう。
亮太「あ〜!あんな彼女いたら毎日楽しいだろうな♪‥‥‥あんな事やこんな事をして‥‥‥ヒヒヒヒ♪」
勝手な妄想を言葉に出してついニヤニヤしていた。
周囲の人達の冷ややかな視線で現世に帰ってきた。
亮太「見んな!ボケ!」
周囲の人達に怒鳴ると皆逃げるように去って行った。
♪♪♪♪♪
♪♪♪♪♪
スマホからうるさい音が鳴り出した。
スマホを取り出すと着信は親せきの金子の親父からだった。
仕方ないので応答した。
亮太「金ちゃん!金をくれ!」
金子「なんだいきなり!ちゃんと挨拶からしろ‥‥それに金ちゃんてなんだ!?」
俺のふざけた対応に金子の親父も少し怒る。
亮太「冗談‥‥‥久しぶりやね」
数年ぶりの会話に少しだけ心が和んだ。
金子「亮太元気そうだな?」
金子の親父はガキの頃からよくお世話になった人だ。
高校を出てから会うことはないがたまにこうして電話で話をしている。
亮太「元気やけど‥‥金が‥‥金が‥‥」
金子「どうしたんだ?ちゃんと説明してみろ?」
俺は金子の親父にここまでの経過を説明した。
金子「‥‥‥‥相変わらず手が早いな‥‥
それで今は無職でフラフラしているのか?」
亮太「はい‥‥」
金子「はぁ〜‥‥昔からの癖まだ直らないのか?何回騒ぎを起こして問題になったんだ?お前は本当に!‥‥‥」
うるさい説教が始まったのでスマホから耳を離した。
‥‥5分後
まだ説教している。
再びスマホを放置する。
‥‥10分後
スマホに耳をつける。
金子「聞いてるのか亮太!?」
どうやら説教タイムは終わっていたらしい。
亮太「はい‥‥聞いてます‥‥グスン‥‥ただ‥‥仕事もなくて‥‥ヒクッ‥‥お金もなくて‥‥どうしたらいいのか‥‥」
ここで話を聞いてないのがばれない為の嘘泣きだ。
金子「わかった!わかったから泣くな!とりあえずある意味丁度いい‥‥今から難波に来れるか?」
難波?
お金をくれるのかな?
流石金子の親父!
亮太「超特急で行きます!
俺は金子の親父の指定する場所まで行くことにした。