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□眠れない夜に
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カノンは隣で横になるミロの気配を伺った。
いつものように朝食を仕込んでから、いつものようにベッドに入ったミロ。
しかし、いつもとは違い未だに寝付いては居ないようだ。
したければ、直ぐに手を出す男だ、ただ単に寝られないだけたのだろう。

そんな事を考えるうち、いつしかカノンはミロの指と熱を思い出していた。

今、ふいに後ろから腕がのび声を掛けられたなら…
あの唇がオレを味わう為に触れてきたのなら…

自分の口元をそっと指でなぞり目を閉じたその時。
なあカノン、前回双児宮に帰ったのはいつだ?
唐突に声をかけられてカノンは息をのんだ。
動揺を隠し、努めて冷静に返事を返す。
6日前だが?
そうか。明日は海界へ行く前にサガに顔を見せてから行くんだな。
サガに?何故わざわざそんな…おい言うだけ言って寝るな!!
兄の事を気にかけて寝ていなかったとでもいうのか?
余計なお世話と言うものだ。
何より、こちらを見ようともしないミロに腹がたつ。
おい!ミロ!寝るな。
揺さぶってやろうかとその肩に手を伸ばす。

っ!

と、手首を捕まれて引き込まれる。
強引に重ねられる唇は笑みをかたどっている。

俺が欲しいなら素直にそう言え。

っ誰がそんな…!!
浅く口づけて離れたミロの唇が首筋から鎖骨を辿る。
…っミロ…やめ…!!
悔しい事にそれだけで甘い声が出てしまう。
身体は素直なんだがな。
フフと笑うミロに今日もまた溺れてしまいそうだ…






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