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□眠れない君に
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朝食用の仕込みを終えたミロは寝室に入った。
ベッドには既にカノンが寝ている。
強引に引きずり込む時以外は、カノンが先に眠り、後に起きるのが常なのだ。

寝起きするとき、お前の姿を見るのは恥ずかしい。

ただ、それだけの可愛らしい理由にミロは朝食当番を引き受けた。

無防備に眠りこける姿をさらすことの方が恥ずかしい気もするが…

薄く笑い、ミロはベッドに潜り込んだ。

……?
聞こえる呼吸は寝息ではない。
明日いく海界の事でも考え、寝ていないのだろうと目を閉じる。
と、眉間に皺を寄せていたサガを思い出した。

なあカノン、前回双児宮に帰ったのはいつだ?

6日前だが?
低い声が答える。
そうか。明日は海界へ行く前にサガに顔を見せてから行くんだな。
再びミロは目を閉じる。
サガに?何故わざわざそんな…おい言うだけ言って寝るな!!
カノンが苛立つ。
おい!ミロ!寝るな。
叩き起こそうとして肩に伸ばされた手をつかむと、無理矢理引き寄せる。
…!!
脇腹に主張するカノンを確認したミロは、なかば強引に唇を重ねて笑みをうかべた。

俺が欲しいなら素直にそう言え。
だっ誰がそんな…!!
浅く口づけて離れたミロの唇が首筋から鎖
骨を辿る。
それだけでカノンからは甘い声が溢れる。
…っミロ…やめ…!!
身体は素直なんだがな。
淡く染まるカノンに口元がゆるむのをミロは感じていた。





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