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□マンザニロ
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何故かその苗木が目についた。
見れば名前はManzanilloとある。

スペイン語で 小さな林檎 

深い緑のつんつんした小葉がミロの瞳の奥にある色と蠍座の聖衣の突起を思わせた。
見れば自家結実性はあまりないらしいが、近くにオリーブの木も有ることだし、何よりその幼木から目がはなせなくなってしまった以上買わざるをえない。
カノンはポケットから金を掴み出してそれを買った。

「オリーブか…」
アテナの象徴とも平和の象徴ともされる樹をまさか買うはめになるなど…カノンは苦笑する。
しかしどこか楽しげな足取りで蜜と毒をはらんだら最愛の林檎の元へ帰って行った。





カノンが何故か「小さな林檎」というオリーブを育てている…とシュラは酒を飲みながらデスマスクとアフロディーテに話した。
二人とも成る程と言わんばかりに顔を見合わて笑った。
「まぁシュラにはわかんねぇだろうな!」
デスマスクが肩を抱き、アフロディーテが酒を注いでくる。
「わからん…」
少しだけ仲間外れな気がしたが、デスマスクの体温と、グラスに映るアフロディーテの笑顔を見ていたらどうでもよくなり、シュラはそれを飲み干した。











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