泣き虫サッカー
□女子会という名の恋ばな
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夜、もう寝る時間だというのに女子のテントには明かりがついていた。
「では!女子会をはじめまーす!!」
「「わー!」」
拍手が飛び交う中、今の状況がよくわからない私と塔子さん。
顔を見合わせ、首を傾げるとリカさんがこう言ってきた。
「ウチ、凄く気になっとてんけど!ずばり、恋幸の好きな人って誰なん?」
「す、好きな人・・・ですか?皆好きですよ?」
リカさんは肩を落とし、私の肩を揺らしてきた。
「ちゃうちゃう!ちゃうのよ!好きって言ってもlikeじゃなくてloveの方や!」
「ら、ラブ!?」
「せや!恋幸の周りには男子いっぱいおるげんろー?一人や二人、おるやろ!格好いいって思う人」
まさかの恋ばなでした。す、好きな人か・・・
ほわっと出てきたのはやっぱり剣城君だった。
た、確かに格好いいし優しい人だし!でも、ラブまで・・・いっちゃうのかな?
頭の中でグルグル考えているとリカさんに吐け!言ってしまえと言われた。
「う・・・今の雷門のエースストライカー何ですけど、一見不良に見えちゃうんですけど、お兄さん思いでサッカーが本当に大好きで相談したときとか言うことはキツいんですけど、何かと面倒見がいいんです」
ハッ、と気づいたときにはもう遅い。リカさんは頬を赤く染めて背中をバシバシと叩いてきた。
私も羞恥心というものが出てきて顔を真っ赤にした。
「スクープです!恋幸ちゃんは好きな人がいるんですね!?きゃぁぁ!」
「凄い真剣に話すから本当に好きなのね」
「こ、こっちまでドキドキしたわ」
上から春奈さん、秋さん、夏美さんとそう言ってきた。塔子さんはというと
「恋幸は凄いなぁ」
絶対何のことかわからないから適当なこと言ったよこの人!!
「あ、う・・・うぅ、おやすみなさい!!!!」
半泣きで勢いよく寝袋に入った。まぁ、あまり寝れないんだけど・・・