とりとめのない日常。

□とりとめのない日常。
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みほちゃん、あいちゃん、みきちゃん、まいちゃん。

日曜日の遊びの予定のことだろう。

学校に行けば友達がいる。

悲しいことなんて何にもないのに。


”映画何みたい?”

少女漫画が原作の純愛映画など何が楽しいのかさっぱり分からない。

右手の親指はよだれまみれになってしまったので、慣れない左手で文字を打つ。

”みんなが決めていいよ”

打ち込んだメッセージが画面にぽこっと産み落とされる。

”えー、はるかまたそれー”

”別に何でもいいとかそればっかー”

次々と言葉が産み落とされては流れていく。

怒ったようなイラストもぽこりと浮かんでいた。

友達の前では笑うこともできる。

笑っているのに胸の中にまで笑いが広がることはなかった。

不満など何一つありはしないのに。

ケータイの画面を覗き込むと、私が見たい映画のタイトルを述べなければ先に進まないといった事態になってしまっていたので、最近流行りの純愛映画のタイトルを打ち込んだ。

共感や賛成のメッセージが次々と流れていく。

グッドマークを送ってくるキャラクターのイラストに嫌気が差した。


ケータイを投げてベッドに倒れ込む。

薄い桃色の天井を見上げて四肢を伸ばした。

蛍光灯が煌々と部屋を照らしている。

私は照らされるような人間なんかじゃない。

光から逃れようと瞳を閉じた。

このまま開かなければいいのに。

朝なんか来なければいいのに。

朝が来ないと困る人もいるだろうから、それは私限定でいい。

私だけ明日から取り残されればいいのに。

なんてね。
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