落書き帳
思い付いたことを書き付けていきます。
◆no title
朝のラッシュを過ぎた閑散とした駅前に何人かの子どもたちが集まっていた。
頭に紅白帽を被り、近くには保育者も見られる。
会話には電車という単語が多く聞こえていた。
どうやら朝の散歩の時間に電車を見に来たらしい。
子どもたちは歩いたり走ったりはできるがそれらの動作にはまだぎこちなさが残っていた。
1歳半から2歳半といったところだろうか。
空には太陽が見られず灰色雲が立ち込めていた。
早朝雨が降ったのか、空気は水を多く含んでいるようだった。
ホームに電車の到着のアナウンスが流れると子どもたちの関心が一気に高まったのが分かった。
フェンスにしがみついてホームを食い入るように見ている。
間もなく電車が到着した。
電車に乗り込み窓越しに子どもたちを眺めると、もう手が振られていた。
別れの言葉を叫んでいるようだ。
中までその声は聞こえてきた。
右へと右へと流れていく子どもたちに私はそっと手を振った。
2015/12/03(Thu) 10:49
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