他CP

□首輪
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君と会ってからでしょうか。
僕がおかしくなったのは。



なぜ僕は敵であるはずの君の守護者なんかを続けているのでしょうか。
憎きマフィアの10代目である君にすっかり馴染んでしまっている自分が憎らしい。

自分の目的のためならなんだってやってきた。
なんだってひとりで乗り越えてきた。
自分以外の人間なんて駒にすぎない。
僕の世界の主は僕なのだから。
個々それぞれの世界の主は個々それぞれであるけれど、僕を主とした人がたったふたりいた。
それがまず僕の計画を狂わせた。
それでも僕は気付かないふりをしていた。
ただの操られるだけの駒でなく、ときには命令に背いてでも僕のために動く駒だということに。

あの戦いで君に言われるまで…

僕は結局、駒などと思ったことなど一度もなかったのだ。
それをありのまま他人の口から聞いて、動揺を隠せなかった。
こわかった。
こわいと思うことが、こわかった。
僕は弱くないから……脆くなんて、ないから。



「どうして強くなければいけないの?」



君がぽつりとそう問い掛けたのは、10代目就任式前日だったか…――
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