あなたの物語
□《王子様のチュウ》
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「おいマット、何してる?」
「お―メロ、お帰りぃ〜〜♪」
俺がドアを開けるとマットがいた。
同居人だから居て当たり前なのだが、問題は今マットが抱えているモノだ........
「何だそれは....?」
「何って....お・ん・な・の・こ♪」
「んなもん見りゃ分かる!!何処の誰かと聞いている!?」
マットはソファーに女をお姫様抱っこして座っていた。
またこの男は凝りもせず女を連れ込みやがってぇぇ―――!!
でも.........んん?
何だか女の様子がおかしい。
女は....眠って......いる??
「マット、その女は....」
「いやな、メロが帰って来る30分程前にさ―――――」
マットの話によると、早く帰ってゲームをやろうと走ってマンションへ戻る途中、曲がり角でこの女とブツカリ女がよろけた際、壁に後頭部を打ち付け気を失ってしまったらしい..........
で、放っておく訳にもいかずマットが連れて来たわけだ。
「なるほど、そーゆー事かよ」
「そーゆーこと!――――にしても、スッゲェ可愛いぃ〜〜〜♪」
でた......マットのいつもの悪いクセだ。
良い女(可愛い女)を見ると見境がナイ。
ワイミーズ1【女癖の悪い男=チャラ男】
「メロ、お前もこっち来て見てみろよ、ホント可愛いって!!日本人かなぁ?それとも中国人かなぁ?」
「ああ!?んなもん知るかよッ!」
とは言ったものの、少し気にはなる........
俺はマットの手招きに便乗してしまった。
マットの後ろから覗き込む。
「か、可愛いな....」
「だろぉ〜〜〜、15〜18歳くらいかな?」
「東洋系の女は幼く見えるから、んな所だろ?」
俺とマットはマジマジと女を見ていた。
ピンク色に潤った唇がプルプルしていてちょっとドキッとする........
シンプルな白いワンピース......足も....細い......
「胸はBぐらいかな?―――マット君としてはCは欲しい所だなぁ〜〜〜」
「お前は真っ先にそこかよッ!?」
だからエロマットとか言われんだよ......
でも、ま、Bぐらいか......?
「なあメロ、チュウで目ぇ覚ますかな?」
―――――――は??
マット......俺は既にお前の言ってる意味が......分らん!!