あなたの物語
□《王子様のチュウ》
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「だってさ、白雪姫って王子様のチュウで目覚めるだろ?同じだって!!」
あ〜〜あ......またアホの時間が始まりやがった。
「んじゃ、お姫様ぁ......マット王子のチュウですよ〜〜〜♪」
チュウゥゥゥ―――――――――――――
俺の計算だと......5〜6秒ってトコだな。
「ヘヘ☆どうかな?目ぇ覚ますかな?」
マットがペロッと舌なめずりをして楽しそうに......いや、イヤらしく笑っている。
「アホか!!んな御伽話みたいに上手く行くわけねーだろーがッ!?」
「ええぇ〜〜〜、マット君悲しいぃ〜〜〜」
誰だお前は!?.......
男がんな言い方しても可愛くも何ともねえよッ!!!!
「....ん....んんぅ......」
!!!!
女がみじろいだ......
俺も当のマットも思わず顔を見合わせ、目をパチクリさせて驚いた。
「嘘....だろぉ....??」
「ほらほらぁ〜〜〜チュウで目覚めるんだってば〜〜〜」
御伽話が現実になっちまったのか?
新たな都市伝説の誕生じゃねえかよ!?
そして女はゆっくり目を開け、至近距離で覗き込んでいたマットと目が合う。
「お目覚めですかお姫様?....俺はマッ「キャアアアァァァァ――――!!!!!!へんたぁ〜〜〜いぃぃッッ!!!!」
バッチ―――――――ンッッッッ!!!!!!
マットの訳の分らんキザな台詞を聞き終わらずに、女はマットに平手打ちを食らわせていた..........
もの物凄い音とともに....その日、辺りは血の海だっ........た??
終わり