短編小説
□誓い
1ページ/2ページ
ーーー俺が今生きているこの時代は、争いの日々だ。
いつ誰が死ぬかはわからない、そんな残酷な世界。
そんな時代の中で、天下統一を目指しておられるあのお方の右目として、俺は今ここに存在している。
当然、休む暇などなく、毎日が戦の日々である。
死にゆく部下や民に心を抉られる思いだ。
そんな中、唯一俺の救いなのは、「貴方」と会えたことーーー。
貴方と俺の絆は、誰の刃も切り裂けはしないだろう。
立ちはだかる困難な現実を乗り越え、信じ合える真実を貴方と築きたい。
貴方と一緒ならば、どんな未来も切り開けるだろう。
暗い闇の世界に差した、「貴方」という名の光一筋。
それだけで、俺の心は揺らぐことはなくなった。
そして、不屈の修羅の如くに貴方を守る。
貴方が俺に背中を預けてくれることが、こんな俺を無敵にさせるんだ。
抗えない運命(さだめ)も、かけがえない命も、全てを今なら受け止める。
まだ、まだ、まだーーー俺は貴方に誓います。
end