太刀川隊の剣姫

□太刀川隊の剣姫
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境界防衛機関ボーダーのA級1位、太刀川隊に所属するひとりの少女に、まるで舞うかの如く華麗な身のこなしで闘うスタイルから、いつの間にかとある通り名のようなものがついた。
それも、「太刀川隊の剣姫」。
能力面でも申し分なく、個人ランクも10位以内に入る強者。
しかし、そんな彼女といえど年齢は15歳、高1年(飛び級)である。
「…………………太刀川さん、コレどうするんですか」
「まぁ、なんとかなるだろ」
「なるわけ無いでしょう!?補習で任務に支障が出るとか有り得ませんからね!!」
「……すまん」
現在雪華の手には、太刀川の大学で行われた定期テストの結果があった。
結果は、コレって留年するんじゃないかな?いや、する可能性高いよね。というかするよね、コレ。と思ってしまう程に酷かった。
「忍田さんに報告しますよ」
「馬鹿言うな。忍田さんに報告する必要性はない」
「する必要あります。いっぺん忍田さんに怒られてきて下さい」
雪華がそう言うと、太刀川は大袈裟なほどに肩を落とした。
「雪華、また目ぇ釣り上げてんのか?」
「あ、いずみん先輩」
太刀川と話していると、出水が太刀川隊の部屋に入ってきた。
「よねやん先輩との勝負は終わったんですか?」
「おう。…で、太刀川さんはまた雪華に叱られたところですか」
「ああ……」
「ほら!太刀川さん忍田さんのところいきますよ!」
「鬼め!!」
「鬼で結構!!貴方に留年されるよりマシです!!」
雪華は太刀川の腕をとり、忍田本部長の部屋へ連行した。
そして、部屋に残された出水はポツリと呟く。
「……アレで付き合ってねぇんだもんなぁ…。いい加減くっつけばいいのに」
出水が呟いた声は、静かに室内に溶け込んだ。
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