太刀川隊の剣姫

□太刀川隊の剣姫
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出水によって隊部屋に連れて行かれた雪華。
室内には太刀川隊オペレーター、国近柚宇と太刀川慶がいた。
「あらら雪華ちゃん寝起きだったの?」
「三輪と槍バカに絡んでるところを引き剥がしてきました」
「出水ご苦労だったな」
「けいけい〜」
出水から降ろされると、今度は太刀川に抱き着いた。
「………雪華にはちゃんと目が覚め次第説明するとして、お前らには先に説明しておくぞ」
そう言うと、太刀川は真面目な顔になるが雪華が抱き着いている所為か、いまいち緊張感がない。
「今回の遠征は11月。メンツは俺達太刀川隊と冬島隊、そして風間隊だ。しっかり準備しておけよ」
「「はい」」
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約一時間後
「ん……。あれ…?ここは……」
「お、雪華やっと起きたな」
「へ…?」
ほとんど目が覚めた様子の雪華に気付き、太刀川が雪華の頭上から話しかけた。
雪華はゆっくりと声がした方を見上げ…
「っきゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
脱兎のごとく太刀川の腕の中から逃げ出し、国近の背後に隠れた。
「な、ななな、何で太刀川さんの腕の中に!?何で!!?」
「落ち着けよ雪華」
「これが落ち着いていられるとでも!?いずみん先輩の目は節穴か!!」
「あはは雪華ちゃん顔真っ赤〜」
「ちょ、柚宇先輩!?」
「あの…雪華。さすがにそこまで嫌がられると傷付くんだが…」
「あっ、いやっ、そ、そういうわけじゃ…!」
その後、雪華は約一時間程弄られた。(主に出水と国近に)
「お前ら、その辺でやめとけ。雪華、本題なんだが…」
「本題?」
「ああ。11月に遠征に行くことになった。メンツは俺達と冬島隊、そして風間隊だ。まぁ、そういうわけだからちゃんと準備しておけよ」
「………………………またあの船に乗るんですか。あんな狭くて乗り心地最悪な船に」
「仕方ないだろ。酔い止めでも持っていけ」
「くそぅ……」
「それだけ実力を認められてるわけだし頑張ろう?ね?」
「うぅ…柚宇先輩ぃぃぃ」
「雪華ってホントに柚宇さんのこと好きだよな」
「だってお姉ちゃんみたいなんですもん」
(ゲームで負けが込むと首を絞め出すのにか……)
そうは思うものの、そんなことは口が裂けても言えない。
出水は小さく溜息を吐くと、隊部屋を出ていった。
「それじゃ、私も準備してきますね!」
雪華も隊部屋を出ていき、残ったのは太刀川と国近。
「………太刀川さん、いつになったら雪華ちゃんに告るんですか?」
「………………………は?」
「は?じゃないですよ!!雪華ちゃんの競争率、かなり高いんですよ!?もたもたしてたら他の男に取られますよ!」
「お、おう……」
何故国近が急にこんなことを言い出したのかは定かではないが、国近は太刀川と雪華が両想いだと踏んでいるのだろう。
「今回の遠征でキメてくださいよ!」
それだけ言って、国近も隊部屋を出ていった。
最後に残った太刀川は。
「……出来るもんならやってるっつの」
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