病弱少女

□病弱少女とボーダー
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翌日に無事退院し、ボーダー本部に訪れた千音は上層部が集まる会議室を目指し本部内を歩いていた。
「あれ?千音じゃん。久しぶりだな」
「ん…?あ、迅さん!迅さんがこっちにいるなんて珍しいね?上層部に用だったの?」
「んー…、まぁな。千音は…退院報告か?」
「ええ。今回も迷惑かけちゃいましたし」
立ち話をしていると、2人のところに二宮がやってきた。
「千音退院したんだな」
「あ、二宮さん!はい。まだ全快というわけではないのですが、とりあえず上層部へ退院報告に来ました」
「そうか。あまり無理はするなよ」
すると、二人の様子を見ていた迅が意外そうに首をかしげながら問うた。
「……二人って知り合いだったの?なんか結構親しげだけど」
迅の問に、千音は病院でのことを話した。二宮はその話を黙って聞いており、時折補足する程度だった。
「成程ね。…………じゃ、千音は報告行ってきなよ。引き止めて悪かったね」
「?い、いえ…。それじゃあ行ってきますね」
「ああ」
二宮と共に千音を見送ると、迅は真剣な表情になり二宮を屋上へと促した。





「何の用だ迅」
「…ねぇ、二宮さん。二宮さんは千音の身体のこと知ってる…よね?」
「……まぁ、多少は」
「おれも全部って訳じゃないけど大体は知ってるんだ。確かに千音は病弱だけど即戦力になる。トリオン体になっちゃえば関係なくなるしね」
「……何が言いたい」
じれったそうに二宮が聞くと、迅は意を決したように二宮を見据えて言った。
「……今後、大きな戦いが起こる未来が視えたんだ。俺は俺でいつも通り個人的に動くけど、二宮さんは千音から目を離さないでやってほしいんだ」
迅から告げられた頼みに、二宮は眉間に深い皺を刻んだ。
「どういうことだ?千音に何か起こるのか」
「今はまだ詳しいことは言えない。俺が千音を庇いながら戦えない以上は、アイツがもっとも信頼しているであろう二宮さんに頼む他ないんだ」
疑問符を浮かべるばかりの二宮だが、次に発せられた迅の言葉に二宮は目を見開いた。
「今回の大きな戦いで二宮さんの選択によって千音は………、千音は多分……命を落とす」


‡To Be Continued‡
 

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