病弱少女

□病弱少女と未来と出会い
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迅に話があると言われ本部の屋上へ連れられた二宮。
そこで迅から告げられた、千音の近い未来に二宮は自分の耳を疑った。
「千音が……死ぬ………?」
「これはまだ不確定の未来であって、二宮さんの行動や選択によっては千音を救える。……けど」
「……救えない可能性もある、か?」
「………千音の行動次第ではね。俺たち周りの奴らがヘンに千音にちょっかい出さなければ大丈夫だろうけど」
妙に歯切れの悪い迅に、二宮は表情を固くしながら問いかけた。
「まだ何かあるのか?」
「うーん…。今のところ俺に見えてるいくつかの未来のなかで一番曖昧な未来があるんだけど、それは起こる可能性の低い未来だから警戒する必要は無いと思うんだけど…」
一旦区切ると、迅は空を仰ぎ目を閉じて言った。
「……千音が何者かに襲われる未来があるんだ。相手ははっきり見えなかったから多分俺と面識のない奴だろうね」
まぁ何はともあれ気にかけてやってください、と最後に付け足し、
「この事を千音に言うかどうかは二宮さんに任せるよ」
そして、これだけ伝えておきたかったんだと言って迅は屋上を後にした。
残った二宮は壁に背を預けて、先程言われた事を整理する。
(俺の行動や選択次第で千音が命を落とす…、か)
突然告げられた千音の未来。
それはまだ17年という短い人生しか生きていない、年端もいかぬ少女にとって残酷と言えるであろう未来だった。
(千音は死なせない。絶対に死なせるものか)
思えば、千音を初めて見かけたのはいつの事だったか。
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