この空の下で

□平凡少女の日常
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お願い。謝らないで。
あなたのせいじゃないのよ。
だから自分を追い込まないで。
ねぇ、“  ”くん

「いかないで……」

目を覚ますと、朝陽に透けるカーテン。
部屋中に鳴る目覚まし時計。
天井へと手を伸ばした自分の腕が映る。

「また、夢か……」

天井に伸ばした左手を目元に持っていくと
じわりと湿る。どうやら、
また私は泣いていたらしい。
どんな夢だったかは覚えていないけれど。
涙を流すと大切な何かを失ったような消失感に襲われる。

「はぁ、勉強のし過ぎで疲れてるのかな…」

寝巻きから制服に着替えて、
泣き腫らした顔をどうにかするために洗面所へと向かった。


「あら、夕空ちゃん。最近早起きさんね」
「母さん、うん。まあね。」

洗面所から朝食の準備をしている母親がいる台所へ向かう。どうやら今日も泣き腫らした目を見せる心配もなさそうだ。

「何か手伝おうか?」と声を掛けると、
母親は「じゃあツー君たちを起こしてきてくれるかしら?今日はバレーボール大会があるって言ってたし」と言った。

ツー君と言うのは、
私の双子の兄で片割れの綱吉君のことだ。
そーいえば、母親曰く最近綱吉君に可愛い赤ん坊の家庭教師を付けたんだって。


「へぇ、そーなのか」
「って、お前が読ませてんだろ!?」

綱吉君の部屋の中では何やら騒がしい声が聞こえてきた。が、私は躊躇うことなく扉を叩いて声を掛けた。


「綱吉君、リボーン君。朝ごはん出来たってさ!」

「んげ!?夕空!?」




改めまして、私の名前は沢田夕空。
非日常を送る兄と違って至って普通の平凡な日常を送る女子中学生です。


「ちゃおっス、夕空も読むか?」

「参考書でいっぱいいっぱいだから大丈夫だよ、リボーン君」


誰がなんと言おうと私にとっては普通の平凡な日常です。たぶん。

あの夢みたいのがなければ、ね。


To be continued

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