この空の下で

□金髪のお兄さん
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夕空さん。

申し訳ありません。

俺があの場を離れた所為で、
大切な貴女を護るどころか傷つけてしまった。俺のせいで。

だから、俺は傷付けてしまった貴女に償うためにーーー。


「ご、くでらさ……!」

ハッと目が覚めた。
今の夢は何?私の名前を呼んで謝罪の言葉を口にする未来の彼。
そして真っ白いベッドで頭に包帯を巻かれ、寝かされていたのは………。

「未来の私?」

何かの冗談では片付けられない夢。
なんで、私はあんなに傷付けていたんだろう。それに10年後の未来の彼は言っていた。10年後の私はーーー。


『今はこの世界に貴女がいるので寂しくなんてないですよ。』

ぼんやりとしていると、コンコンと扉が叩かれた。「はい」と答えると扉が開く。

「よう、夕空。って、起きたばっかりか」

「はい」


部屋に入ってきたのは昨日から私の家に泊まっているリボーン君の知り合いのディーノさん。夢に出てきた銀髪の彼とは違う金髪のお兄さんだ。



「夕空、怖い夢でも見たのか?」

泣いてるじゃねぇかと私のいるベッドに近付いてくる。その途中、何かでバランスを崩したのかこちらに覆い被さってきた。


「で、ディーノさん!?」

「いてて、悪いな。怪我してねぇか?」

「それよりも早くどいてください」


重いです。と言うと彼は慌てて、
私の上から退こうとした。が、シーツで滑ったのかまたベシャと下にいた私にダイブした。今度は私の胸に。
胸!?


「っ…きゃああああ!!?」


「夕空、朝からうるさいぞ!何やって……ディーノさん!?」


俺の妹に何してるんですか!?と綱吉君が慌てて駆け寄ってきてディーノさんを退かす。ディーノさんは顔を真っ赤にしながら「わ、悪かった」と後ろ髪をかいた。


「まったく、気をつけてくださいよ。夕空も寝ぼけてたからってディーノさんを部屋に入れるなよ」

「ご、ごめんなさい」
「いやー、最近の日本女子は発育がいいな」

「ディーノさんっ!何おっさんみたいなこと言ってるんですか!?いいから、もう下に行きますよ。夕空も早く着替えてこいよ」

ディーノさんに怒りながらも私にもそう声をかけてくれた綱吉君はディーノさんを連れて私の部屋を出て行った。私も慌ててベッドから飛び出し寝巻きから制服に着替える。




「跳ね馬の奴っ!よくも10代目の妹君の夕空さんに手ェ出しやがって!後で必ず果たす!」

「獄寺くんだめだって。あとあれは夕空の不可抗力だし」

「で、ですが…」

「ラッキースケベだよな!夕空の胸にダイブなんてさ」

羨ましいぜ、と言う山本くんに獄寺くんが代わりに「ふざけんな!まずはてめぇから果たしてやろうか!?」と返す。現在の獄寺くんは私のことを綱吉君の妹として見ているのだろうか。それとも異性として…。


「あはは、そう怒んなよ。獄寺だって羨ましいと思うだろ。だって夕空の胸だぜ?」

「う、うるせぇ!べ、別に羨ましいとか思って」

「とか言ってお前顔真っ赤じゃねえか」

「ち、ちがっ!ご、誤解ですからね!?10代目!夕空さん!」

「あはは、もうその話はやめようか」

現在の獄寺くんはよくわからないな。
まあ、私も獄寺くんのことを知ろうと思ったのは10年後の未来の獄寺さんが私のことを好きと言ったからで、だけど現在の獄寺くんは私よりハルちゃんと仲が良くて、あ、でもハルちゃんは綱吉君が好きで、綱吉君は京子ちゃんって子が好きで……。

なんか複雑になってきた。
もう考えるのやめよう。

そんなことを思いながら綱吉君たちと一緒に歩いていると後ろから猛スピードで走ってくる黒い車がいた。その車からロープで出てきて、何故か私と綱吉君に巻き付いた。


「「え?」」


「ツナ!?」
「夕空さん!?」

山本くんと獄寺くんが驚いた顔で私たちに手を伸ばすのが見えたが、一瞬で真っ暗になり何も見えなくなった。しばらくして走っていた車が停まった。




「気に入ったぜ」

「何するんですか、ディーノさん」
「そうですよ。急に危ないじゃないですか」

「悪いな、2人とも。」

そう言って私たちを車に連れ込んだディーノさんは苦笑い。ディーノさん曰く、獄寺くんと山本くんを試したという。だが、


「そう言えば言い忘れてたな。桃巨会ってのは本当にこの町に実在するヤクザなんだぞ」


リボーン君の言葉に何故か2人とも固まってしまった。リボーン君曰く、桃巨会は武闘派で強いらしいとか。眠ってしまったリボーン君に綱吉君とディーノさんが文句を言いながらも何処かへと駆けていく。



私は「夕空、お前はそのまま学校に行け」と綱吉君に言われて、そのまま普通に学校に向かった。

To be continued



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