この空の下で

□赤ん坊のお誕生日会
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※日常編から抜粋


「明日は楽しみだな」

「そうだね」

今日は珍しく学校帰りの時間が重なって、綱吉くんと明日のお互いの誕生日について話し合いながら二人で帰り道を歩く。他のみんなは用事を思い出したと言って先に帰ってしまった。

綱吉くんは明日の誕生日の準備をしているのではと、嬉しそうに話す。そうだね、少し前は母さんと綱吉くんと私の3人だけのお誕生日会。

けど、今は友達ができて綱吉くんはよく笑うようになった。とても嬉しいことだ。


「そういえば、夕空。俺へのプレゼントってさ、もしかしてーーー」

「綱吉くん、それはーーー」

ガチャリと玄関を開けると、先程用事があると言って家に帰ったと思っていたみんながいた。その手にはクラッカー。使用法はもちろん紐を引く。


「誕生日おめでとう!!!」

その声とともにパアーンと鳴って、散らばる紙吹雪とカラーテープ。それを見て隣へ視線をやると綱吉くんがショックを受けていた。「!?(誕生日、明日なんだけどぉー!?)」と言う顔だろうか。


「ちゃおっス」

本日は10月13日。
リボーン君のお誕生日。
まさか私と綱吉くんの誕生日と一日違いだとは思わなかった。

そしてあろうことか、お母さんは私達の誕生日を忘れてしまっていたようでリボーン君と一緒にお祝いされることになった。

「ごめんね、夕空ちゃん」

「大丈夫だよ、綱吉くん楽しそうだね」

「あら、夕空ちゃんも恥ずかしがらずに楽しんでこればいいのに」

「充分楽しんでるよ」


なんでもイタリアにはボンゴリアン・バースデーパーティーというものがあるそうで出し物をする代わりに私は台所で母さんと一緒にリボーン君の誕生日ケーキを用意していた。マジパンでリボーン君とそのペットのレオンくんも作る。これが結構楽しかったりする。


「完成!」

「あら、上手に出来たわね」

「うん、じゃあ運んでいくね」

いってらっしゃいと見送られ、パーティーが行われているリビングへと向かう。すると、途中で綱吉くんの悲鳴が聞こえてきた。只事ではないと思い、ケーキを持ちながら急ぐ。

「夕空っ!助けて……」

リビングに着くと、ボキボキと何かが折れる音と綱吉くんの真っ青な顔をして白目をむき口から泡が出ているのが目に入った。ケーキをテーブルに置いて、すぐさま救急車を呼びに電話のある場所へと向かった。救急隊が来て綱吉くんは即入院することになった。


「夕空さん、申し訳ございませんでした。」

「獄寺くん、どうか顔をあげて」

夜、病院内の誰もいなくなった待合室で土下座する獄寺くん。彼曰く、綱吉くんが入院することになった原因は自分にあると言って謝り続けている。

「命に別状はなかったし。綱吉くんも私も怒ってないよ」

「で、ですが、俺は10代目になんてことを」

「じゃあ明日改めて綱吉くんの誕生日会を開くから来て」

綱吉くん、喜ぶからと笑っていうと獄寺くんは「違います」と言った。

「え?」

「10代目と"夕空さん"の誕生日ですよ」

誕生日おめでとうございます。と告げる獄寺くん。時刻は午前0時に変わっていた。私と綱吉くんの誕生日、10月14日に。

「俺、覚えてましたから。」

今はこんなものしかあげられませんが、と言って土下座から立ち上がり、自分の手に付けていた複数のシルバーアクセサリーの一つのリングを私に渡してきた。


「やはり気に入りませんか?」

「ううん、綱吉くん以外の男の子からプレゼントされたことないからちょっと驚いて」

大切にするね、と笑うと獄寺くんも「はい!」と笑った。

END
 

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