君と過ごす七日間
□SHUT HEART
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「そういえば忍足くん、こっちにきて4日くらい経つけど勉強とか大丈夫?」
仕事から帰ってきて忍足くんの作った夕ご飯を遅めに食べながら、ふと浮かんだ疑問を彼に投げかける。
忍足くんが思い出したように声を零した。「あっ」と。
「気休めかもしれないけど、問題集とか本屋さんで買ってくる?」
「すっかり忘れとったわ。そうやな、そうしようか」
「じゃあ、明日、駅前の本屋さんに行こうか。私も雑誌とか買いたいし」
「千紗さん、休み取れたんか?」
「…なんとかね。」
忍足くんの言葉に頷いて、食べる手を休めていた私は再び手をつける。忍足くんは「よっしゃ!」とガッツポーズを取る。どうやら嬉しいらしい。
「久々のデートやな!」
「ぶっ!ちょっ…大人をからかうんじゃない」
「そう言いつつ顔が真っ赤やで」
「仕方ないじゃない。好きなんだから」
あ、零れ出た言葉に口を手で押さえると同時に忍足くんが私から目をそらす。彼の頬がほんのりと赤くなっている。もしかして照れてる?
「お、忍足くん」
「千紗さん、直球過ぎるで。」
こっち見んといて、と今度は顔を隠し始めた。やはり照れている。年相応で可愛らしい。
なんかどんどん忍足くんの魅力にはまっていく気がする。って私は変態か!
「あ、明日楽しみだね!」
そう言い残して、私は食べ終わった食器を流し台に持っていく。忍足くんも気を取り戻して「そやな」と隣に並ぶ。もう心を閉ざしてる。
「忍足くん、いつもありがとうね」
「なんや唐突に」
「ふふふ、言いたくなっただけ。いつも1人にさせてるし」
「それやったら俺も千紗さんにありがとうや。スマホや合鍵、いつも気を使うてもろとるからな。」
おかげで好きなテニスもさせてくれとるし、と忍足くんは続けた。その言葉を聞けて、私は嬉しくなった。
To be continued.