番外編

□忍足くんと放課後3
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「……」

「えと、消しゴム落としたよ?芥川くん」

「んあ?…あ、あありがとー」

「いえいえ」

「えと君、名前なんだっけ?」

「え?」




「あれからどないや?ジローの様子は?」

「あ、忍足くん。今のところ頑張って授業聞いてるよ」

「さよか。」

「と言うか、わざわざ教室に来て私に聞くよりも部活の時に宍戸くんに聞けばいいのに」

「わかってへんな。お嬢さん」

「は?お嬢さん?」

「俺はな。」

「葉月ちゃああん!」


「あ、ジロくんが呼んでる。行かなきゃ。」

「ちょい待て。自分らいつからお互いを名前で呼び合うような関係になったんや」

「ジロくんが寝なくなって話すようになってから言われたの。名前のほうが呼び慣れてるから呼んでくれって」


「…なんでや」

「忍足くん?」

「俺のほうが自分とはよう知り合うたんに。」

「おーい」

「仲がええと友達やと思ってたんは俺だけやったんか。むしろお嬢さんは俺が友達やと迷惑…っつ!」


「あんまグダグダ言ってると殴るよ?」


「っ…もう殴っとるやんか。めっちゃ痛いわ」


「ごめんごめん。…だけど、忍足くんだって悪いんだからね。私の気持ちを無視するんだからさ」


「お嬢さんの気持ち?」


「そうだよ。私が忍足くんを迷惑に思うわけないじゃない。迷惑だと思ったら近付かないよ。」


「…お嬢さん。」


「わかったら泣かない。ほら涙拭いて。男前が台無しだよ?」


「男前なんはお嬢さんのほうやで。それにこないな俺の姿見れんのは多分お嬢さんだけや。」


「まあそれは嬉しい特権だね。」


END

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