番外編

□忍足くんとチョコ
1ページ/1ページ




「忍足くん、受け取って」

「私も私も!」


「忍足、やるねー」

「滝くん、ここの公式教えてくれない?今日、日直だから多分当てられそうで……って何見てるの?」

「ん、忍足が女子に囲まれてチョコ貰ってる」

「チョコ、バレンタインだね」

「風宮さんは本命の誰かにあげないの?俺に渡したのは友チョコだよね?」

「(パスケース拾ってくれたし)そうだけど。本命に直接渡すの無理だったから朝早くこっそりとその人の机の中に入れてきちゃった。」

「凄い行動力。やるねー。で、本命って誰?」

「そこはいくら滝くんでも教えてあげられない。それより、ここの公式…」

「そっか。あ、ああこの公式はここのXを代入して」

「なるほど。じゃあここの公式の解なんだけど……」

「ああ、ここはね」


数分後ー



「…忍足くん、さっきよりも女子に囲まれちゃってるね」

「と、言うか心閉ざしてないかあれ?」

「心を閉ざす?」

「おーい、忍足!ちょっとこっち来て数学教えてくれないか?」

「ちょっ……滝くん何言って!」


「滝、助かったわ。なかなか抜け出せなくてな」

「いいよー、お礼は昼のデザート」

「しゃあないな。んで、数学って?」

「あ、ああ。この子に教えてあげて。今日の日直で当てられそうなんだ。」

「この子って、誰も居らんやん」

「あれ?逃げられちゃったか。残念」

「は?なんやねん。まあ、もうええけどな。疲れたわ、チョコ食べよ」

「そのチョコどうしたの?」

「?ああ、朝来たら机の奥そこに入っとたわ。名前とか何も書かれてないけど。このチョコ、作った子は俺のためだけに想いを込めて作ってくれたんやろうな。食べやすいし俺好みの味や。」

「へぇ、よかったね。」


END



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ