番外編

□忍足くんとあめ玉
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「はい、風宮さん。バレンタインのお返し」

「うわぁ、クッキーだ。ありがとう、滝くん」

「どういたしまして。で、本命からはお返し貰ったの?」

「本命と言うかあれは感謝の気持ちだから見返りは求めてないよ。名前も書いてないし」

「え、今年も名前書かなかったの?」

「うん、名前書いてもきっと私からだとわからないと思うから。……あっ」

「どうしたの?」

「私のロッカーにあめ玉入りの瓶が入ってた」

「まさか本命からのお返しとか?」

「いや、まさかそんなわけな……」

「滝、靴箱の前で何してんのや」

「あ、忍足。おはよう」

「おはようさん。」

「あ、あの忍足くん」

「なんや、滝の彼女」

「だから彼女じゃ……」

「そうだったら嬉しいんだけどね」

「滝くん、冗談はやめて」

「残念だな。で、忍足はバレンタインお返しあげたの?」

「そやった。今日はホワイトデーやったな。」

「まさか忘れてお返ししてないの?」

「貰ったチョコがあまりにも数が多くてな。まあ、お返しと言うかお菓子はたくさん用意してきたで」

「それで荷物が多いのか」

「まあ特別な子には部活前にあめ玉入り瓶を靴箱にそっと入れてきたけどな」


「へぇ、特別な子には、ね。やるねー、忍足」

「(あめ玉入りの瓶、特別な子?まさかね)あ、ほら滝くん、そろそろ始業のチャイムが鳴るよ。行こう」


「あ、俺まだ忍足に用事があるから先に行ってて」


「わかった。それじゃ、先に行ってるね」








「さて、忍足。特別な子って誰?」


「秘密や。」

「もしかしてさ、あめ玉入り瓶をあげたのって」

「ノーコメントや。変な詮索せんといて」


「あ、忍足って……行っちゃった。俺の予想は当たりかな。まったく素直じゃないんだからあの2人」



END

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