番外編

□忍足くんとうたた寝
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「……あ」

「ん、なんや。風宮さんやん。同じ車両か」

「うん、偶然だね。部活帰り?」

「ああ、自分は……こんな時間まで何しててん?」

「恥ずかしながら、先週受けた数学のテストの補習授業を……アハハ」

「アハハやないで。相変わらず数学と相性悪いんやな、風宮さん」

「もう数学は私にとって天敵だよ。忍足くんはいいな、数学得意なんだから」

「まあな。っと、自分と話してる場合やなかったわ。今朝の続きを読まんと。隣座らせてもらうで」

「え、あ、うん。どうぞ」

「………。」
「………。(早っ!もう心閉ざして文庫本を読んでるよ)」

「………。」
「………。」

ー数分後経過
ガタンッ


「………。」
「!?……忍足くん?」
「Zzzz……」

「………。(寝てる。部活ハードだったのかな。)」

「Zzzz……」
「………(最寄り駅に着くまでこのまま寝かせてあげよう。)」


ー数十分後

『ーー駅、次はーー駅に停まります。』

「忍足くん、起きて!もうすぐ駅に着くよ!」

「んあ?え、……風宮さん、肩貸してくれてたんか…」

「え?あ、うん、疲れてるのに起こしちゃ悪いかなと思って」

「すまんな、動けんかったやろ?」

「大丈夫だよ、それより疲れは取れた?」

「まあな、ほんまにありがとう。ええ子ええ子」

「!…頭撫でられるの、小学生以来だなぁ」

「あかん、ほんまにこの子、天然や」



END

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